ボツリヌス療法

 

 

 麻痺

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出すA型ボツリヌス毒素をもちいた治療法です。

A型ボツリヌス毒素製剤を筋肉に注射することで、筋肉を動かす神経に働きに筋肉を弛緩させます。したがって、ボツリヌス治療が適当となるのは、筋肉が持続的に収縮する病気に効果を発揮します。

 

当院での適応となる疾患

脳卒中後遺症の痙縮「手足の筋肉つっぱり」

顔面けいれん

眼瞼けいれん

頚部ジストニア(痙性斜頸)

 

痙縮の効果

手足の筋肉がやわらかくなり、動かしやすくなることで、日常生活動作が行いやすくなります

関節が固まって動きにくくなり、変形するのを防ぎます

筋肉のつっぱりによる痛みがやわらぎます。

リハビリテーションが行いやすくなります。

介護の負担が軽くなります。

 

顔面けいれん・眼瞼けいれん

顔やまぶたのぴくつきが減少します。

 

頚部ジストニア(痙性斜頸)

筋肉のつっぱりによる痛みがやわらぎ、頚部の動きが改善します。

 

 

注意事項

ボツリヌス毒素は 筋肉の収縮を改善し、固くなった筋肉を柔らかくする作用がある薬です。注射を打っただけで動かなかった手足が動くようになるわけではありません。麻痺だけがあり、筋肉が固くなっていない人(痙縮がない方)は治療の対象となりません。

効果の持続は、3か月から6か月程度です。効果の持続維持のためには、リハビリテーションを日ごろからしっかり行っていただくことが重要です
脳卒中発症後、長いことリハビリテーションがされず、動かされていなかった麻痺の手足は、筋肉そのものが短縮し関節が固まっています。これらの方にはボツリヌス療法を行って筋肉を柔らかくしても効果が得られないことがあります。

ボツリヌス療法は、上下肢痙縮(手足の筋肉が固くなっている状態)に保険適応がありますが、注射薬そのものが非常に高価なため、障害者手帳取得(1-2級)をお持ちでない方は、医療費が高額になる場合があります。